2011年5月18日

絵本は豊かな人生をもたらすもの Vol.1

私と絵本

① 始まりは子どもも産まれるし、さあ絵本だ、と最初はアマゾンでトップセラーになっているもの上位20冊を買ってみたり、絵本の裏表紙の「全国OOOO選 定」という肩書きが多ければ多いほど優れた本だと思っていました。実際それだけの理由で200冊くらいがんばってそろえてみました。 その中で今私がまだ 持っているのはたぶん30冊もないでしょう、、。もちろんその中には処分したあとでジャカランダ文庫で又出会って、読み直してみたら「あ、処分しなきゃよ かったな」と思う本もありました。 子どもの本を選ぶのは本当に難しいです。 これはずっと修行です。

もちろん、トップセラーや選定本 はそれはそれでひとつの指針になるものでしょうが、果たしてこれでいいのかな、とは思っていました。 というのは、それらを買いあさって子どもと読んだと き、「絵本てこんなものだったっけなあ。まあこれが良い本ということか、でも私はそんなに好きじゃないかなあ」と思いました。

しかし!そこから私の本に対する果てしない探求が始まったのです。

その原動力になったのはただひとつ、自分が子どもの時に読んだ「ちいさいおうち」(バージニア・リー・バートン作、絵)という本を読んだ時の衝撃、気持ちがずーっと私の心の中に生き続けていたからです。

あの時のような気持ちになれるような私をひっぱってくれるような絵本がまだきっとあるはずだ!と。その出会いを貪欲に求めていたのです。

ちいさいおうち (バージニア・リー・バートン作・絵)(読まれる方は岩波子どもの本シリーズではなく1600円の大判の方でぜひ読んでください)











②へつづく(次回)


リストの前に、、、こどもが本を読む条件ー「子どもと本」ー子ども文庫の会発行 第一刊から抜粋ー 以降抜粋のところは色を変えています

「子どもたちは、自分たちの好みのままに選ぶ意思と能力をもっているのです。

しかし、考えてみると、子どもがそのちからのままに本を選び、その本の中にある限りの楽しさ、美しさを心ゆくまで吸収できるためには、そのための条件がそろっていなくてはならないのです。

第一に、子どもの手の届くところに、子どもの期待を満たすほど内容の充実した本ができるだけ数多くあること

第二に、子どものまわりにいる大人が、子どもの力を信じ、子どもの個性を尊重する大人であること

第三に、愛情を込めて本を読んでくれる大人が身近にいること


そしてすぐれた本とは?

*テキストはリズミカルで、動的ですぐれて簡潔である 目で読まずに声に出すとわかりますよ

*子どもに媚びていない  媚びている本とは子どもがどんなさし絵を好むか、どんな色彩やテクニックがふさわしいか、どういう語句なら子どもにわかるか、特定の年齢の子ども向けにど の言葉なら使えるーを考えられて作られたものー子どもは実際こういったたぐいのものを読むと喜んでいることもありますが、比較的浅いところで喜んでいるも のという風に私はとらえています。問題はこういったセレクションばかりになってしまうことです。

*子どもへ率直さ、正直さ、真摯さをもって仕事をしている作家を選ぶ(はなのすきなうし 押し絵を描いた、ロバート・ローソンが1941年にコールデコット賞を受賞したときの講演で、私が感銘を受けた一節「一 枚の絵のどんなに小さな細部や、ひとつの物語のなんでもない語句が、どんな風にしてある子どもたちの心に大きなほのお、その子の一生を通じて光り続けるほ のおを燃え上がらせる火花となるのかは、だれにもわからないのです。以下省略 わたしは子どもたちやその他の読者たちに、わたしの知っている限り、私の考 え得るすべてをあたえ、その中から子どもたち、読者たちに好きなものを選んでもらいたいのです。」


はなのすきなうし(マンロー・リーフ作 ロバート・ローソン絵)














*絵ーお話とあっていて力があるもの

私の好みもあると思いますが、一般的に良いとされていて私もこれはお勧めと思う本を紹介します。とりあえず第一弾で、まだまだありますから、、。

この中の「わたしとあそんで」(マリー・ホール・エッツ作、絵)は本当に本当に(しつこい?)すばらしい本ですよ。ベスト5に入るかな。何回読んでも読み終わったあと静かな感動と余韻にひたります。

2歳半からの本として 絶対はずせないものは

ガンピーさんのふなあそび (ジョン・バーニンガム作・絵)













てぶくろ (エウゲーニー・M・ラチョフ絵)ロシア民話 















3びきのくま (トルストイ再話 バスネツォフ絵)ロシア民話 














わたしとあそんで (マリー・ホール・エッツ作・絵)














三びきのやぎのがらがらどん (マーシャ・ブラウン作・絵)













おだんごぱん (わきたかず絵)ロシア民話















ちいさいしょうぼうじどうしゃ (ロイス・レンスキー作・絵)











ティッチ (パット・ハッチンス作・絵)













2歳半から、と書きましたが、その前からでも大丈夫な子どももいるでしょう。ほんとうにすぐれた本は絵の力、テキストのリズミカルさ、で子どもを引っ張っていきますから。

あと「せきたんやのくまさん」(ウォージントン作、絵)も子どもは大好きです。このシリーズは他にもぱんやのくまさん、ゆうびんやのくまさん、うえきやのくまさんなど出ているのですが、うちの子供はせきたんやのくまさんが一番好きでした。
先ほど明記した「子どもと本」の中でも「せきたんやのくまさん」のテキストがこのシリーズの中で一番すぐれている、と紹介されていたのを発見して偶然かもしれませんが、子どもってすごいなあ、と思いました。

せきたんやのくまさん(フィービとセルビ・ウォージントン作・絵)









な ぜだかロシア民話が集中していますが、本当にロシア民話はおもしろいです。子どもにもよりますが5-6歳くらいになったら「金のがちょうのほん―四つのむ かしばなし (福音館世界傑作童話シリーズ)」に移ってもいいですね。移るというより、こういう本も楽しめるようになります。何歳になっても上記にあげた本は子どもさ んが望んだらぜひ読んであげて欲しいと思います。うちの子も今晩久しぶりにロシア民話「てぶくろ」を読んだら喜んで聞いていました。 年齢が違うとそれに よって同じ本の楽しみ方も少しずつ変化していくのがわかって子どもの反応を見ていても楽しいものです。

金のがちょうのほん(レズリー・ブルック作・絵)













尚、今回紹介した本はすべてジャカランダ文庫にあります。

それではまた次回に。読んでくださってありがとうございます。

あゆみ

*参考文献 季刊 「子どもと本」 子ども文庫の会発行 
「私たちが選んだ 絵本とお話の本」みやまえ・文庫グループ発行